今回は「物語の体操」と同じ著者が書いた「ストーリーメーカー」です。

より「おはなしづくり」に関する実践的な内容が学べます。

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大塚氏は本の中で「人が子どもから大人になる成長のプロセスを描くのが物語の基本」、つまり物語の基本は「行って帰ってくる物語」だと話しています。これは、「小さい子供たちにとって、その発達しようとする頭脳や感情の働きに則した、一番受け入れやすい形」とも言えるそうです。

例えば全米で興行収入ナンバーワンに輝いた映画「千と千尋の神隠し」。

千尋が異世界に迷い込み、あらゆる経験を通し、そしてまた現実の世界に帰ってくる――。

確かに、あちら側に「行って」、こちら側に「帰って」きていますよね。

 

世の中で名作といわれる作品の多くを「行って帰ってくる物語」にあてはめて考えてみると、何と多いことか!

 

 

あらゆる物語はフォーマット化できる

 

「行って帰ってくる物語」に加えて覚えておきたい、もうひとつのパターン。

それは、こちら。

アメリカの神話学者であるジョセフ・キャンベル氏が世界中の神話を研究する中で発見したものです。

 

1.Calling(天命) 何か物事を始めようと考える

2.Commitment(決意) 決意して進む

3.Threshold(境界線) 不安になったり、予期せぬ出来事に負けそうになる

4.Guardians(メンター) 誰かの手助けによって解決できたりする

5.Demon(悪魔) 更に大きな難題にぶつかる

6.Transformation(変容) いろいろな手法で解決できる(自分自身が大きく成長するとき)

7.Complete the task(課題完了) 成長した自分自身を認めることが出来る

8.Return home(故郷へ帰る) ゴールを迎えると共に新しい目標に向かう

 

またまた、何のこっちゃ?という感じですね。

 

多くの物語はこの8つのパターンで展開されているのだと、ジョセフ・キャンベル氏は語っています。このパターンを「行って帰ってくる物語」の構造にあてはめてみましょう。

 

1と2を「出発」、3~6を「通過儀礼」、7と8を「帰還」というように整理すると「行って帰ってくる物語」にあてはめて考えることができます。

 

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それじゃあ次は「千と千尋の神隠し」にもあてはめてみましょう。

 

※ネタバレが含まれるのでまだ観ていないという方は目をつぶってスクロールしてください。

 

 

 

 

 

 

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ぴったりあてはまります。

ちなみに「スターウォーズ」「ロードオブザリング」といったハリウッドの名作も、分解してみると展開は同じです。

 

いかがでしょうか。

「物語作りのスタートは「盗作」にあり!?」でも書いているように、このように考えることでまずは「物語の構造」を体験してみるのです。おおよそのヒット作はフォーマット化できます。そして、自分の物語もあてはめてみましょう。

 

うん、ますます書けそうな気がしてきました。