チカラについて
PHILOSOPHY
Grand design
言葉のチカラで愛と平和を
Brand concept
Logos For Your Wonderful Life
素晴らしき人生を言葉のチカラで
Statement
私たちチカラは考え抜いた言葉で
世の中をもっと楽しく、愉快にします。
私たちチカラは「良い言葉とは何か」を問い続け
その成果を広く社会にシェアします。
私たちチカラは言葉による自己改革の方法を伝え
豊かで幸せな人生を送る人を増やします。
私たちチカラはコミュニケーション全般の改善を促し
世界が愛と平和に向かう運動を加速させます。
Credo
6時の乾杯を大切にする
長時間働くことは自慢にならないし、「忙しい」なんて呟くのは恥ずかしいことだとチカラは考えています。ゆったりと働いて、6時には「カンパーイ!」。ま、なかなか理想どおりにはいきませんが……。
人と同じメニューは頼まない
何人かで飲食店に入ったら、全員が別のメニューを注文するのが創立時からの暗黙のルールです。もちろんみんなでシェアします。それはチカラが最も大切にしている「好奇心」の表れです。ライターの命です。
やりたくないことはやらない
と、本気で思っています。やりたくないことをやるなんて、いわば“小さな自殺”です。好きなことだけをやる。楽しいことだけをやる。徹底するのは口で言うほど簡単ではないけれど、きっとできると信じています。
辞書が好き
すでに知っている言葉を、あえて辞書で引くようにしています。「わかっている」と思い込んでいることを、自ら「わかってないかもしれない」と気づくセンスを磨く稽古なんです。これ、知性がなきゃできません。
音楽を愛している
文章も音楽も耳で楽しむ表現です。「音楽を愛そう」などと掲げなくても、チカラには自然と音楽好きが集まってきました。これから出会うであろう仲間も「音楽好きであってくれるといいな」と願っています。
いつも酒場にいる
自分たちでお店を開いちゃうくらい、チカラは酒場が好きなのです。酒場での出会い、対話、別れ……そこには人生のすべてがあると言っても過言ではありません。え? 本当は酒が好きなだけだろうって? ははは。
自由でいたい
休みたい日に休んでいいとか、就業時間内に好きなところに行っていいとか、できるだけルールを決めないとか、いろんなアプローチで自由になろうとしています。ほんとはね、「自由って何だろう」と問い続けていたいんです。
競争しない
でも会社なんだから無理だろう、と言われるんですが、これが意外とやれるものなんです。社員同士はもちろん社外の方とも、競い合うのではなく、不得意なところを補い合えるような関係でいたいと思っています。
すぐに人を好きになる
インタビュアーとして、バーテンダーとして、これって重要な資質です。目の前の人を何より大切にすること。いいところを見つけて、好きになること。そこから対話が生まれて、チカラの仕事は動き始めます。
一流を集めている
そんなにお金をかけずとも、たとえば本屋に行けば、映画館、美術館、コンサートホール、ライブハウス、能楽堂に行けば、一流と出会うことができます。一流が好きです。そのうえで、二流も三流も愛しています。
よく食べる
チカラでは「たくさん食べられる人が尊敬される」傾向があります。あと、「食事代は先輩が払う」というのも慣例化しています。となると、大食漢の後輩に有利な会社ですね。あ、少食も大歓迎なんですよ。
鵜呑みにしない
どんなに偉い人の言葉でも、権威のある機関の報道でも、そのまま信じることなく、自分の頭で考えてみること。そのうえで結論した自らの意見にも、常に批判的な目を向けておくこと、なんていう真面目なところもあります。
人と違うところばかり見ている
「あっ、スーパーマンだ」とみんなが空を見上げたら、その人たちの表情を観察する。人と違う視点こそが、イコール、ライターとしての価値なのです。物事を、いつも別の角度から。それが「ライターの目」なのです。
弱い側に立つ
対立が起こった時は、善悪正邪ではなく、必ず弱い側に寄り添って考えるようにしています。そして、できる限り、力になれるように行動します。なんて言って、実際は助けてもらってばかりなんですけどね。
感謝にフォーカスする
朝礼だけは全員で集まることにしていて、それぞれが「5つの感謝」を発表しています。感謝に意識を向けて日々を過ごしていたい、という思いからです。するとね、運が良くなるんです。これ、信じられます?
駄洒落に目くじらを立てない
ライターは孤独になりがちなので、オフィスでは意識的に四方山話、与太話、ジョークに駄洒落が交わされ、いつも笑いが絶えません、というのは半分嘘で、受けない時もありますが、そこはそれ、やさしくね。
大真面目にふざける
たとえば企画のときは、常識的に考えていては商売になりません。タブーをつくらず、自由に発想してみる。偉い人や賢い人が怒り出すくらいでちょうどいい。ふざけてなんぼなんです。ええ、大真面目にね。
オフィスに子どもがいたりする
ライターって女性が生活を大切にしながら、力を存分に発揮できる職業のひとつだと思うんです。社員の子どもはアイドル。たまにオフィスで遊んでたり、飲み会に参加したりしています。「自由」のお手本でもあります。
企業秘密がない
チカラはいつも素っ裸。世のためになるノウハウならば、文章の書き方だって、インタビューのコツだって、メニューのレシピだって、ためらいなく公開します。隠したって、いいことありませんもの。気軽に質問してください。
好きな服を着る
人が自由であるために、実はけっこう大切なことなんじゃないか、と考えています。自分に嘘をつかず、同時に他者やシーンも考慮しながら適切な服を選ぶ。そうそう、チカラには「もはや選ばない」ことを選択した人もいます。
正義を突きつけない
そりゃみんな真剣ですから、熱い議論を交わすことだってあります。そのときに気をつけているのが、「正しさ」を武器にしないこと。戦争は正義と正義のぶつかり合い。掲げてもいいけど、突きつけないのがルールです。
社長室がない
どころか専用のデスクさえありません。完全フリーアドレスで、朝早く来た人から、好きな席に座ります。なんだか図書館みたいでいいでしょ。だからトップと新入社員が肩を並べて働いているなんて風景は日常なんです。
私を消す
これこそがコミュニケーションの極意だと考えています。自分を殺すわけでも、無個性になるわけでもなく、むしろ、その逆でありながら「私を消す」。禅問答みたいでしょ。チカラに関わってくださる人にだけ伝授いたします。
MEMBER
いっしょに働いてくれる人を募集しています。
チカラでは文章制作のパートナーを募集しています。ご興味がある方は得意分野、実績などを添えてご連絡ください。
ACCESS
- 赤坂駅5番出口から
元木哲三 作 - グーグルマップで検索
栗田真二郎 作 - 天神西通りから
安永真由 作 - 西鉄福岡(天神)駅から
内川美彩 作 - 警固一丁目バス停から
古林咲子 作
地下鉄赤坂駅の改札を出て左に曲がり5番出口を目指せば、200メートルはあるだろうか、その長い地下通路に、あなたはカフカ的な閉塞感を覚えるかもしれない。しかし、少しの辛抱である。挫けそうになったら「はじめに言葉ありき」などと呟いて、光さす階段を目指せ。...[続きを読む]
地上に出れば、そこは福岡市中央区役所である。表のほうに回ると、小便小僧が二人、彼らが着ているのは山笠の法被である。両手でしっかりと自身をもち、狙いを決めている。この作品の名称は「すんまっせん」である。博多弁だと「ま」と「せ」の間に促音が入るのだ。声に出してみてほしい。「すんまっせん」。できれば三度。ほら、さっきまでの憂鬱は霧消したはずだ。
いけない、チカラに向かうのだった、とあなたは目的を思い出す。左に目を向ければ業界の雄、セブンイレブンが視界に入るだろう。区役所との角を右に曲がってほしい。細い。道が細くて歩きにくい。短い信号を渡ると、さらに歩道が狭くなる。人とすれ違うには、どちらかが車道に出なければならないほど狭くて細い。
ああ、でも、引き返さないで。もう、そこがあなたの目指すMIKIビルである。なぜMIKIがアルファベットなのかなどと考えてはいけない。元気な掃除のおばさんに会ったなら、いやでも明るくあいさつしてほしい。このビルのアイドルなのである。大切にしなかったらバチが当たると言い伝えられている。エレベーターに乗ったら、さて何階を押す? 答えは辿りついてから。[閉じる]
40男と30女はおよそ5年前からW不倫を楽しんでいる。今日が記念すべき100回目の逢瀬だ。100回。その数を勘定しているぐらい40男は自慢話が好きだ。...[続きを読む]
その日は朝から雨が降りそうな気配であったが、夕方まではなんとか持った。仕事が終わるまで、タクシーに乗るまで。「大名mikiビルまでよろしくね」。そう運転手に告げた途端、大粒の雨が屋根を叩いた。
「俺ってつくづくツイてる男なんです。なんてったってこれまでに雨に濡れたことがないんですから。すごいでしょう。それとカネとオンナに困ったこともこれまでの人生一度もない。いつもうまいモノを食べ、毎晩美しい女性を抱き、美人な嫁とも寝る。もうそれが当たりまえすぎて不幸なぐらいなんです」
100回。「なぜ、あの40男とそんな回数を重ねているんだろ」。バスを降りて歩き出した途端、雨。ドラッグストアで傘ではなく、自分のためにゴムを買い、軒下で雨あがりを待っていた。
考えが巡る。逢うのはいつも違う場所、しかも世間的にはあまり知られていない街中のオフィスビル。約束の時間はいつも20時。逢いたいときだけ40男からケータイメールで待ち合わせ場所の住所だけが送られてくる。
今日は「福岡市中央区大名2-2-1」。毎回それをコピペしてグーグルマップで検索。仕事が終わるとそれを頼りに公共交通機関で向かう。「どうしてだろう。あんなチンケなモノで、一瞬で果てるのに」。男と女の関係はいつの時代も不思議である。[閉じる]
上海やバンコクに到着して、一番に「ああ、アジアだな」と感じるのは、なんといっても交通だ。特に信号が変わった直後はわくわくする。おびただしい数のバイクや自転車が飛び出し、人の塊が移動し、車は途切れることなく川のように流れる。...[続きを読む]
その意味ではここ福岡も、まぎれもなくアジアだ。西通りは慢性的な渋滞で、天気が良い日中は車列が太陽を反射してギラギラ輝き、夜はヘッドライトが光の道をつくる。その車の間を縫うように人がうじゃうじゃと通り抜けていく。いや、車の存在を忘れて車道いっぱいに広がっている。自転車は縦横無尽に目の前を横切るのだ。
この西通り周辺、そして大名エリアの道を、私は勝手に「アジアンロード」と呼んでいる。ここに来たら最後、人と自転車の隙間を見つけてじりじりと進むしかない。気長に、細心の注意を払って。
「テクニシャン通り」もある。一方通行が多く道幅が狭い大名は、左折や右折で切り返すことがままある。そのうえ、向かいから対向車がやって来ようものなら、私はギリギリまで壁際へ寄せて、「どうかあの運転手のテクニックがずば抜けていますように」と通り過ぎてくれるのをただただ祈る。
そんな大名にあるチカラに行くのなら、大正通りの「ハローワーク」交差点、明治通りの「中央区役所」交差点から曲がればわりと簡単。付近には駐車場が多いので探し回ることはない。
タクシーで来るなら有名料亭を目印にしよう。「大名の稚加栄のあたりで」と伝えれば運転手は100%わかってくれる。ただ、まさにその場所で降りてしまうと、あなたはアジアの風を感じながら100メートルほどのウォーキングを楽しむことになるだろう。[閉じる]
「西通り」は誘惑の宝庫です。北側には福岡の老舗ホテルの「西鉄グランドホテル」、南の国体道路との角には「Apple Store Fukuoka Tenjin」。ファストファッションのショップが立ち並ぶ約500メートルの西通りとその周辺には、あなたのお財布をおびやかす物欲という魔物がそこかしこに潜んでいます。...[続きを読む]
ちょっとツウなら、50年以上の歴史をもつアーケード街「新天町」の趣きが恋しくなり、「釜めしビクトリア」や「飛うめ」に寄りたくなるでしょう。きらめき通りを歩く代わりに岩田屋本館を通過すると、夏は涼しいし冬は温かくて、百貨店ムードを味わえます。あ、岩田屋本館のことを「Z-SIDE」と言った時にはもう遅い、あなたはそこそこの年齢を重ねているとバレてしまいますよ。
「チカラに行くのなんてやめて、ちょっとTOHOの映画館に」なんてことも考えてしまうかもしれません。その際は、こっそりご連絡ください。人生には仕事より大切なことだってたくさんありますから。
「西通り」から入る道を一本間違えると、大名の入り組んだ道を抜けるのにけっこうな時間をロスしてしまうので要注意です。「きらめき通り」交差点のファミリーマートのある角から、西側へ進みましょう。
飲食店に入りたくなったり、ショップで洋服を眺めたくなったりするのを我慢して、ぐんぐん直進してください。200メートルほど歩くと、右手に「四谷学院」の黄色い看板と建物が現れます。横断歩道を渡って、1階にアパレルショップが入店している灰色のビルがゴールです。
「ついお買い物しちゃったわ」と両手に紙袋を抱えていらっしゃっても大丈夫です。私たちは「あぁ、誘惑に勝てなかったか」と瞬時にその状況をご察しして、明るく笑顔でお迎えいたします。もちろん、差し入れも大歓迎ですよ。[閉じる]
「落ち着けよ、何を見たんだって?」
「だからぁ、西鉄の天神駅でね、白い服の集団が歩いてたのよ」
「それがどうしたんだよ」
「だって真っ白が7人だよ。おかしいでしょ、完全に。わたし、後をつけてみちゃったの」...[続きを読む]
「いい趣味してるな」
「そしたらね、新天町の書店で本をめっちゃくちゃ買ったのよ」
「へー、本好きなんだ、その白い人たち」
「それでね、大量の本を抱えて今度は回転寿司の『鮨金』でバカみたいに食べるの。お皿がピサの斜塔みたいに積みあがってるの、初めて見たわよ」
「それ、店の外から見てたのかよ……」
「だって気になるじゃない! で、食べ終わったと思えば今度は西通りのほうに向かって、ツナパハに入ってさ」
「すげー、寿司の後にカレーか」
「そうそう。でね、お店を出たところで、外国の人に道を尋ねられたわけ。フランス人だと思うんだけど」
「ふーん、あのあたりは観光客も多いからな」
「困るかなぁ、と思ったら、ペラペラと道を教えてるわけよ、たぶんフランス語で。どうやら西鉄グランドホテルに行きたかったみたいなんだけど、そこまで一緒に歩いて案内しちゃってさ」
「へえ、来た道を戻ったわけか。親切じゃん」
「でしょう!? 変な人たちだと思ったらそんな面もあって、わけわかんない」
「で、結局その人たちは何者なんだよ」
「わからないから、さらに後をつけてみたわけよ」
「おう」
「そしたらね、ローソンと四谷学院があるあたりでちょっとよそ見をしたすきに、姿を見失っちゃったの」
「あちゃー、残念。つーか、このあたりじゃん。姿が見えなくなったってことは、建物の中に入った確率が高いんじゃないか。たとえば、ほら、このMIKIビルって、いろんな会社が入ってるぜ」
「えー、ってことは会社員なのかしら、あの人たち。そうは見えなかったけど」
「ちょうど掃除のおばさんが出てきたから、聞いてみようぜ。すみませーん!」[閉じる]
ああ、もうどうやったってうまくいかない。バス停に降りたった瞬間、絶望的な気分に襲われました。これからたった一人で目的地まで歩かなくちゃいけない。「大名」って地名の通りここは昔、城下町だったっていうじゃありませんか。攻めてきた武将を惑わせるためにあえて入り組んだ道をつくっているのに、方向音痴の私に攻略できるはずがありません。...[続きを読む]
少し歩くと変わった自販機が見えました。黄色のロボットの形をしています。おかしな自販機があるものですね。せっかくだから、ジュースを買って休憩しようかな、時間はまだあるし。と、言っても約束の時間までそれほど余裕はないのですが。ちょっとだけ、ちょっとだけ現実逃避をしよう。
ふう、少し気持ちが落ち着きました。次は「紺屋町通り」に入るんでした。どこから曲がるんだっけ。また分からなくなってしまいました。もし、ここで間違えてしまったら永遠にたどり着かないかもしれない。焦ると悪いことばかり考えてしまいます。でも、運よく飲食店の壁に地図を見つけました。お店の正面にまわると「餃子のテムジン」でした。閉じたシャッターにはこう書いてあります。
おはようございます。
きおつけていってらっしゃいませ。
おかえりにおまちしております。
よし、もうひと踏ん張りすれば、帰りには餃子とビール! 不思議なものですね。困ったときにはいつもどこかから救いの手が現れます。
目印の「四谷学院」が遠くに見えました。斜め向かいには「ローソン」があります。ついにやりました。「MIKIビル」に到着です。ふふふ、やっぱり自分を信じてやればなんだってできるんです。なんだかこれって文章を書くことに似ています。
でも、エレベーターの前に立つと何階を押せばいいのか分かりませんでした。どうしたらいいのでしょう。と、そこに入口から全身白い服の男性が入ってきました。もしかしたら、答えを知っているかもしれません。[閉じる]
福岡はとんこつラーメンのにおいがするなんて、そんなの大嘘です。だってJR博多駅の中央改札口を出ると駅構内には甘く香ばしいにおいが漂っているから。
ぐるりと見回してください。長い行列が見えるでしょ。そうクロワッサンを求める人たちです。急いで最後尾に並びましょう。...[続きを読む]
大丈夫、意外にスイスイ進みますから。並んでいる間は「プレーン」「チョコ」「さつまいも」を、それぞれ何個ずつにするか、考えておきましょう。そうですね、あなたの分も含めて、15個もあればいいかな。ちなみに、私は焼きたてのチョコに勝るものはないと思っています。
袋をしっかりと手に持ったら、地下に行くための入り口を探してください。いたるところにあるはずです。どこを選ぼうと、あなたの自由ですよ。
ただひとつ、言いたいことがあります。例の長い行列の隣にある階段はオススメしません。あそこは上りのエスカレーターしかないので、76段もの階段をずっと下っていかなければならないのです。地下に降りるだけでヘトヘトになってしまう。まだ長い道のりだというのに。
地下鉄の改札を通って5分ほど待てば、天神方面のホームに電車が入ってくるはずです。ほら、やってきたでしょ。「姪浜行き」「西新行き」「唐津行き」「筑前前原行き」。どれに乗っても目的地まで運んでくれます。安心してください。
天神ではたくさんの人が降ります。やっとシートが空きました。あと1駅、約2分間。座るか立ったままでいるかはあなた次第。
赤坂で降りればあとは簡単です。まだ袋の中にクロワッサンは残っていますよね? 私の案内はここまで。
続きは、「赤坂駅5番出口から」。バトンタッチしましょう。[閉じる]
ニューヨーク、ジョン・F・ケネディ空港から仁川経由で福岡に着く。慣れたフライトも12時間を超えると身体は重いが、この程度で仕事に影響するようなら、そいつはプロじゃない。...[続きを読む]
福岡空港の到着口を出たら、「FANTASTIC FUKUOKA!」と掲げた自動ドアに進む。まずは国内線ターミナル行きのバスに乗らなければならない。タクシーを使えば、万が一のときに証拠が残ってしまう。
バス停で5分ほど待つと、青地に白で飛行機と雲の絵が描かれたポップな車がやってきた。先ほどのファンタスティックといい、このデザインといい、能天気な街だ。
国内線ターミナルまではそこそこの距離があった。スマートフォンで今回の依頼メールを確認する。ターゲットの情報は少ない。普段はライター・として活動している集団だという。
「北バスのりば」で降りれば目の前に地下鉄入口がある。「南バスのりば」だと、ターミナルの端から端まで、重たいアタッシュケースを持って歩くことになる。タイムロスは許されない。
地下鉄のホームに出たら、停まっている電車に乗ればいい。どれも同じ方向に進むからだ。ターゲットは赤坂駅周辺に潜伏しているらしい。
電車が動き出す。隣に座っていた初老の女から小さなメモを渡された。そこには「WHITE」とだけ書かれている。女は無表情のまま立ち上がり、隣の車両へ歩いていった。
赤坂駅で降りると、上下とも白い服を着た、金髪の男の後ろ姿が見えた。ターゲットなのか。「赤坂駅5番出口」に向かう男の背中を追った。[閉じる]
OVERVIEW
- 社名
- 株式会社チカラ
- 所在地
- 〒810-0041
福岡県福岡市中央区大名2-2-1
MIKIビル401(402)
- 代表者
- 代表取締役社長 元木哲三
- 創業
- 2001(平成13)年1月1日
- 設立
- 2007(平成19)年10月16日
- 資本金
- 100万円
- 事業内容
- 取材・執筆業、書籍制作、
ブランディング、スクール事業、
飲食店経営ほか
HISTORY
- 1970年
- 4人目の子供だと言うのに母、幸子は妊娠に気づかず、出てきたお腹を引っ込めるために、毎日、腹筋に勤しむ。
- 1971年
- 6月、元木哲三、福岡市・西中洲の池田産婦人科で生まれる。
- 1980年
- 星新一の全作品を読む。
- 1985年
- ギターの練習を始める。もちろんモテたかったから。
- 1987年
- レイモンド・チャンドラーに傾倒する。バンド活動を始める。
- 1994年
- 地元の経済誌を発行する出版社に入社。
- 1998年
- 退社してフリーに。
- 2000年
- 所属するバンドでメジャーデビューし、居を東京に移すも同年解散。
- 2001年
- 元木哲三事務所を創業し、フリーライター・として活動を始める。人生で初めての貧乏暮らしを体験する。
- 2003年
- 制作に携わった中谷巌の「プロになるならこれをやれ!」がベストセラーになる。
ふと気づくと、けっこう人気のライター・ブランディングライターになっていて、ちょっと貯金ができた。 - 2004年
- そのお金を全部使って、なんとなく上海に移住。執筆活動を続ける。
- 2005年
- 制作協力をした「夢に日付を!」が大ベストセラーに!
- 2007年
- 10月16日、株式会社チカラを設立。飲食店の開業準備に入り、人生で初めて大金を借りる。
- 2008年
- 帰国して2月から、栗田真二郎(くりしん)をパートナーとして3人でライター業をスタート。
「語り下ろし出版」事業を始める。
「稲盛和夫の論語」がベストセラーに。
3月にバー「アフターザレイン」を開業。くりしんが初代店長に。 - 2009年
- 4月、内川美彩が見習いとして事務所に通ってくることに。
年も押し迫った師走にインキュベーション施設「ibb Fukuoka」に移転。少しだけ会社っぽくなる。でも、社員は2人。
「35歳の教科書」がベストセラーに。 - 2010年
- 4月、元木がcross fmの朝の帯番組のナビゲーターに、なぜだか抜擢される。
構想に2年をかけた「文章の学校」を開校。
「ごえんの法則」がベストセラーに。 - 2011年
- 4月、内川、社員として登用。
- 2012年
- しかし、内川、小説の執筆中に自らの才能を信じられなくなり、パン工場で働くべきじゃないかと真剣に悩む。
1月、松本恵里が入社。
「スターバックスCEOだった私が社員に贈り続けた31の言葉」がベストセラーに。 - 2013年
- 7月、アフターザレイン「博多ステーキカレー」でランチ営業を開始。
11月、くりしんが初の著書「アフターザレインの心得」を出版。
12月、古林咲子が入社。
やっぱり年も押し迫った師走に現事務所のMIKIビル401号に移転。 - 2014年
- 2月いっぱいで、くりしんがアフターザレインを離れ、3月、松本恵里が2代目店長に就任。
3月、cross fm「モーニングゲート」終了。元木、朝4時起床の日々から解放される。
4月、同じくcross fmで「Books&Music 哲三堂」がスタートする。
9月に402号を借りて事務所を拡大。
ものすごくささやかに「7周年パーティ」を開く。
12月、ブランディング事業をスタート。 - 2015年
- 2月、白い服しか着ない、と元木が理由もなく決心する。
4月、妊娠・出産、育児休暇を経て内川が職場復帰。
6月、安永真由が入社。
10月、丸ごと1冊、企画・編集、執筆を手がけた「福岡本」(枻出版社)が発行される。
ライターは募集したことないのに、けっこう人が増えたなぁ。そっか、店まで含めると社員7人、アルバイト15人かぁ。 - 2016年
- 4月、福岡市を中心に33万部を発行するフリーペーパー「ファンファン福岡」の制作がスタート。
8月、自社Webメディア「クイッターズ」が始動。
9月、ようやくまともなホームページがオープン。
9月、インオフィスを同じビルの8階に移転
10月、くりしんが企画から携わった「九州肉デス。ガーデン」が開催される。 - 2017年
-
1月、社内プロジェクト「エンタメ委員会」としての初仕事『私、サンリオ男子を好きになってしまいました。』が出版される。
3月、初の社員旅行でバンコクに。
4月、気づけばライター部門が10名に。「ファンファン福岡」が1周年。
6月、屋上菜園ができる。
8月、8階の事務所が一部拡大。
9月、オフィスの象徴となる全長3800mmのデスクが届く。
10月、内川、第2子出産のために産休に入る。設立10周年を迎える。 - 2018年
- 4月、新本菜月が入社
- 2019年
- 3月、内川が大阪へ。チカラ大阪支社(のようなもの)ができる。
ORIGIN
社名の由来
会社を設立する前の1年間、「一風堂」を展開する力の源カンパニーのブランディングを、フリーランスのクリエティブが集い、バーチャルな部署をつくってお手伝いしていました。そのときのチーム名が「チカラ」。社名を考える際、「メンターでもある一風堂の創業者・河原成美氏の会社から一字をもらえば、親から名前を引き継ぐような気持ちで背筋が伸びるし、なにより響きと意味がいい」ということから、河原氏の承諾を得て、チカラと命名しました。
大和言葉である「ちから」について考えてみます。『ひらがなでよめばわかる日本語』(新潮文庫)によると、「そもそも『ち』とは、不思議な、そして力あるものを指す」のだそうで、「生けるものの体内をかけめぐる血は、不思議な力の最たるものでした。この『ち』に『からだ』の『から』、つまり『そのもの』という意味をもつ『から』を結合させたことばが『ちから(力)』です」。なんだか古代人と「チカラ」という言葉で交信できるような気さえしてきます。
思想家の中村天風の言葉にこのようなものがあります。
力の踊句(ちからのしょうく)
私は力だ!
力の結晶だ!
何ものにも打克つ力の結晶だ!
だから何ものにも負けないのだ!
病にも、運命にも、
否、あらゆるすべてのものに打克つ力だ!
そうだ!強い強い力の結晶だ!
いやいや、私たちはそんなに強いわけではないんですけど、まあ、しかし、これくらいの気概を持って仕事に取り組む気持ちに嘘はありません。それと「チカラ」には、「あの人の力になりたい」という思いも込めています。ね、なかなかいい名前でしょ。