物語をつくるうえでキャラクターの存在は欠かせません。
よく「あとは勝手にキャラクターが動いてくれるんです」と言う作家さんがいますが、こういう方々はきっとキャラクターの構成を綿密に考えたうえのこと。「男子高校生で、身長は160cmくらい」というかなりざっくりしたキャラクターだけで物語をつくろうとすると、なかなかうまくいかないものです。
私たちチカラで物語をつくる際は、チームで(チーム制作に挑戦中なのです。その話は、またいずれ)属性を出し合い、がっちゃんこして「キャラクターカード」に落とし込むのが大体の流れです。
さて。
「キャラクターメーカー」の大塚英志氏は、キャラクターは属性の組み合わせであると断言しています。物語と同じで、属性を分解して組み合わせていけばいいのだと。
例えば、物語論の入門「物語論―プロップからエーコまで」(ジャン=ミシェル・アダン著、末松寿・佐藤正年訳)に描かれたポパイのキャラクターについての描写はこのように表現されているそうです。
パイプと太い両腕、片眼をつぶりひん曲がった微笑を浮かべている。まさに絵に描かれたのと同じ彼がいる。口やかましい許婚のオリーブと一緒に(中略)。どた靴、魅力的とは言えない体つき、エックス脚、油ぎって思い束ね髪のオリーブ・オイルが走ってくる。
さらにこれは以下のように理解できる、と。
※画像は「キャラクターメーカー」より
たとえば「片眼をつぶっている」を「両眼をつぶっている(目が見えない)」と置き換えたり、「片眼をつぶっている」を「片眼を見開いている」に置き換えたりすれば、違うキャラクターになります。
大塚氏はこの図を用いながら、本著(キャラクターメーカー)で、キャラクターの「属性」を「置き換え可能の水準」と示しているのですが、なるほどこう考えてみるとゲーム感覚でキャラクターをつくることも可能な気がします。
「物語は誰にでもつくれる」という大塚氏、やはりキャラクターだって誰にでもつくれるというのです。
その証拠に、ダイスを使ったキャラクターづくりのワークショップがあります。
次回は、ダイスを持って再びここに集まりましょう( ̄― ̄)にやり