前回は「属性の組み合わせでキャラクターはつくれる」という話をしました。
キャラクターを記号化していくという考え方です。
それを体験するためのワークショップがあります。
まず、八面ダイスを用意しましょう。
(東急ハンズやロフトのゲームコーナーに売っています。私はAmazonで買いました)
そして、この表に従って三度、ダイスを振るのです。
※表は「キャラクターメーカー」より
ひと振り目で偶数が出たら上段、奇数が出たら下段のブロックを選んで、残る二振りで縦横の組み合わせを決めます。すると、縦16の項目と横8つの項目がクロスした1つの組み合わせがキャラクターの属性になるのです。
例えば……
・ひと振り目→2
・二振り目→4
・三振り目→1
だった場合は「耳」が「猫」、つまり、猫耳のキャラクターを考案するという具合です。
いざ!
私は
・ひと振り目→7
・二振り目→3
・三振り目→3
でした。
「腕」が「狼」……。
というわけで考えてみました。
【腕が狼のキャラクター】
腕だけ狼のように毛深くするどい爪をもって生まれてきたユリアは気味悪がられ、両親から見捨てられ孤児院で育つ。孤児院の先生たちもその異様な容姿を忌み嫌い、常に孤独の中で生きてきた。普段はバレないよう、ダボダボのトレーナーを着て腕を隠して生活をしている。金髪のロングヘア―で見た目は美少女。
なんだか思春期の妄想のようですが(笑)、こうしてキャラクターが見えてくるとひとつ、お話が作れそうな気がしてきました。例えばユリアは実は狼の末裔で、狼の世界では女王として崇め奉られる。人間になりたいユリアがとった行動とは……!? みたいな感じでしょうか。
お気づきの通り、人間の身体の一部を動物のパーツと置き換えるものなのでどうしても非現実的な話になりがちですが、例えば本書の中では「頭」が「馬」で、「馬顔のマスクをかぶった殺人鬼」を紹介しています。普段はなかなか思いつかない設定ですが、ダイスにゆだねると「自分がつくりたくない」あるいは「自分が考えたこともない」デザインのキャラクターをつくる必要が出てきます。だから、おもしろいのです。
だって自由に選んで良かったら、きっと「猫耳」とか「背中に翼竜」とか、特定のパターンに集中してしまいますから。
このワークショップは、凝り固まった自分の創造力をやわらかくしてくれるのです。